01.どんな病気?
幼弱な造血細胞(芽球)が骨髄や末梢血で均一に増殖する未分化型造血器腫瘍です。
正常な造血が阻害されて白血球、赤血球、血小板が減少するため、早期から感染症状(発熱や咳、下痢など)、貧血症状(労作時の息切れ)、出血症状(紫斑、点状出血、鼻出血、口腔内出血など)などが出現し、発見が遅れると脳出血や敗血症などの致死的な合併症をきたします。
急性白血病は、大きく急性骨髄性白血病と急性リンパ性白血病に分類され、それぞれが腫瘍細胞の性質に応じてさらに細かく分類されます。
02.治療について
急性白血病は抗がん剤が効きやすい病気です。まず、病院の無菌室にて多剤併用化学療法を実施し、完全寛解(骨髄中の芽球細胞が5%以下の状態)の獲得を目指します。
完全寛解が得られた後は、残存している腫瘍細胞をさらに減少させる寛解後療法によって最終的には治癒を目指します。
白血病のタイプ、治療経過(効果不十分や再発時)、年齢、合併症などによって、通常の抗がん剤治療以外に分子標的治療薬(がん遺伝子により産生される異常な蛋白質などを標的とした治療)が実施されます。
さらに、薬物療法のみでは治癒を目指すことが難しいと判断された場合は、同種幹細胞移植(兄弟や他人をドナーとした骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植など)が実施されます(治療については前項参照)。