01.どんな病気?
再生不良性貧血は、白血球、赤血球、血小板が同時に低下する "汎血球減少"が出現する病気です。
骨髄中の造血幹細胞が何らかの原因で減ってしまうことが原因で、重くなると好中球減少によって重篤な感染症を引き起こしたり、赤血球減少による貧血症状や血小板減少による出血傾向が出現したりします。
再生不良性貧血は何らかの原因により骨髄中の造血幹細胞が減少することにより発症します。
その原因ははっきり解明されていませんが、造血幹細胞自体に異常が発生する場合と、免疫細胞(T細胞)が自己免疫の機序によって造血幹細胞を傷害する場合があると考えられます。
02.治療について
再生不良性貧血は、「重症度」によって治療方針を決定します。重症度は、1)網状赤血球数(できたばかりの新しい赤血球)、2)好中球数、3)血小板数、4)赤血球輸血の必要性の4つの指標で判定されます。
軽症(ステージ1)または、輸血の必要がない中等症(ステージ2A)では、血小板数などを指標にして、無治療もしくはシクロスポリンによる治療を行い、必要なら徐々に治療を強化していきます。
一方、輸血が必要な中等症(ステージ2B)、やや重症(ステージ3)、重症(ステージ4)、最重症(ステージ5)の場合は、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、エルトロンボパグ、シクロスポリンなどによる積極的な治療を実施します。
また、若年者(おおむね65歳以下)の場合は、しかるべきタイミングで同種造血幹細胞移植の要否を検討します。