大きな紫斑(あざ)が多発したり、血が止まりにくくなったりする症状を出血傾向と呼びます。
出血傾向は、特発性血小板減少性紫斑病、再生不良性貧血、急性白血病などの血小板減少症をきたす疾患や、血液をサラサラにする薬(抗血小板薬や抗凝固薬)の過剰など、様々な原因で引き起こされます。
放置すれば脳出血や消化管出血などの重大な出血をきたす可能性もあるので、早めに医療機関に相談しましょう。
- ✓ 手足などのあざ(紫斑)や点状出血
ぶつけた覚えがない部位にいくつもの大きなあざが出現する、あるいは、前胸部などに点状の赤い斑点がたくさん出現する場合は、出血傾向の疑いがあります。
- ✓ 鼻出血
いつも同じ側の鼻腔から少量の出血を繰り返す場合は、鼻粘膜に問題があることも多いので、まずは耳鼻科受診をご検討ください。左右の鼻孔から繰り返して出血する場合や、手足の紫斑などの他の出血症状が同時にみられる場合は、出血傾向の疑いがあります。
- ✓ 口の中の出血
歯茎など口腔粘膜からの出血は歯槽膿漏・歯肉炎などが原因のこともありますので、歯科受診も検討してください。
ただし、長時間にわたる出血や他の出血症状がある場合は、出血傾向の疑いがあります。 - ✓ 月経の量が多くなった
生理出血が重くなる、大きな血の塊が出る、生理期間が長くなるなどの症状は、殆んどの場合は子宮筋腫や子宮内膜症などの婦人科系疾患が原因ですので、まずは婦人科受診をご検討ください。
ただし、他の出血症状も同時にある場合は、出血傾向を疑う必要があります。