貧血とは逆に、赤血球が多くなる状態を多血症といいます。
一般に男性でヘモグロビン値18g/dL以上またはヘマトクリット値51%以上、女性ではヘモグロビン値16g/dL以上またはヘマトクリット値48%以上を多血症と定義します。
いわゆる血液が"濃い"状態で、顔が赤らんだり目が充血したりすることもあります。多血症には以下のタイプがあります。
01.相対的多血症
喫煙習慣、慢性ストレス、脱水症などがある場合は、血液の濃縮によって見かけ上の多血症となることがあります。
原因となる生活習慣の改善やこまめな水分摂取が重要となります。
02.二次性多血症
心臓や肺の病気、高山での生活、本格的なスポーツなどによって慢性的な酸素欠乏にある場合、酸素をより効率的に運ぼうとして身体が赤血球を多く産生して多血症となります。
心臓や肺に病気がある場合はその治療が優先となりますが、血が濃くなりすぎて心臓に負担がかかる恐れがある場合は、一時的に瀉血にて赤血液を減らすことも検討されます。
03.真性多血症
赤血球を作る細胞が腫瘍性に増殖する造血器腫瘍の仲間です。
放置すれば血栓症(脳梗塞や心筋梗塞など)の発症リスクとなるので、瀉血や薬物による適切な治療が必要となります。